人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

2022年12月のブログ記事

  • ぬるま湯に浸ってしまったわが社の衰退期を悟る その2

    その1からの続きです。 私が入社した当時、会社は創業からすでに二十年を経過しており、生々流転の早いスピードに照らし合わせれば、すでに衰退期を迎えている時期です。いや、今の時代なら、すでに存在しない企業になっていたかもしれません。しかしながら、当時私の会社は、衰退期どころか発展期を迎えている会社でし... 続きをみる

  • ぬるま湯に浸ってしまったわが社の衰退期を悟る その1

    私の経営していた会社は、一九六三年(昭和三八年)四月の設立でした。私がまだ小学生の頃で、父が初代社長として創業した会社です。 現在、株式会社を設立するためには、発起人一名、株主一名でも登記が可能ですが、当時は、発起人、株主ともに七名を必要とした時代でした。資本金三百万円での株式会社設立でしたが、父... 続きをみる

  • 創業者が与えてくれた四つの気づき

    私が売却した会社を振り返り、様々な場で話をする機会を与えられると、いつのときも、私の父である創業者のワンマン度を話題にします。「金は出さない」「口は出す」「決裁権を与えず」「自ら責任は取らず」おまけに、銀行印と会社実印は自宅で父自らが保管していた、という話題です。当時の私は、ワンマンというよりも独... 続きをみる

  • 「経営者の孤独」と「後継者の孤独」

    経営者は孤独であるといわれます。経営者がどのように孤独であるのかは、経営者でなければわかりません。しかし、中小企業の先代経営者と後継予定者の孤独感は「天と地」ほどの差があると言っても過言ではありません。後継予定者と比べ、経営支配権を持ち、オーナーである先代経営者の「孤独」の度合いは生半可なものでは... 続きをみる

  • 後経営権のない後継者の自惚れ

    私が売却した会社の経営権と代表権を説明しましょう。売却時の役員は、創業者である父が代表取締役会長、後継者の私が代表取締役社長、取締役に母と妻という、典型的な同族中小企業の役員構成でした(父母は既に他界しています)。 私が売却した同族企業の役員構成を知り、みなさんはどのように思うでしょうか。社長は私... 続きをみる

  • サンタクロースがM&Aに乗ってやってくる

    大手企業のM&Aと中小企業のM&Aは似て非なるものです。大手企業(上場企業)のM&Aは弱肉強食的な意味あいが強いものですが、中小企業のM&Aは終始友好的に物事が進んでいきます。大手企業間のM&Aは大が小を呑みこみ、呑みこまれた側の企業が姿を消し、呑みこんだ側の企業に名称が変わってしまう、というのが... 続きをみる

  • 終った経営者にならないために その4

    その3から続きます。 ここではPDCAを深く掘り下げて説明しませんが、「終わった人」「終わった経営者」にならないための目標設定や行動様式、さらに、自分自身を管理するために、私は次の6項目を読者の皆さんに推奨したいと思います。 「自分の居場所を作るネクストビジネス創業」 「社会と繋がるコミュニケーシ... 続きをみる

  • 終った経営者にならないために その3

    その2からの続きです。 それでは「終った経営者」にならず、生涯現役を続けるにはどうすればいいのでしょうか。M&Aで売却を成功させた後、元経営者の皆さんはどのような人生を送りたいのでしょうか。そのためにはどのようにすればよいのでしょう。 私はPDCAを推奨したいと思います。売却後の人生を謳歌するため... 続きをみる

  • 終った経営者にならないために その2

    終わった経営者その1からの続きです。 経営者の皆さんは手帳をお持ちのはずです。きっとその手帳には、先々のスケジュールがビッシリと記入されているでしょう。しかしながら、一度、そのスケジュールを見つめ直してほしいのです。その大半が自のビジネスを介したスケジュールではないでしょうか。 仕事のスケジュール... 続きをみる

  • 終った経営者にならないために その1

    数年前上映され話題となった映画作品のひとつに「終わった人」があります。定年を迎えた男のまだまだ終われない人生の奮闘記です。舘ひろしさんと黒木瞳さんの主演で映画化したハートフルコメディです。大手銀行の出世コースから子会社に出向し、そのまま定年を迎えた舘ひろしさん演じる田代壮介。世間からは「終わった人... 続きをみる

  • 売却後のネクストステージへのふまえ

    私は現在宮城県仙台市に移住していますが、2002年2月まで、人口約9万人の城下町山形県米沢市で、親子2代に渡り同族の中小企業を経営していました。経営者とはいっても父親が創業者であるため、私は世襲で社長を承継した、いわゆる二代目経営者でした。その弱小中小企業の経営者であった私は、M&Aという手法で第... 続きをみる

  • 創業38年目の売却決断

    生物はたえず発育し、変化していきます。誕生し、生育し、老後を迎え、そして人生の最後を迎える、それが人間の生々流転です。 このことはひとり人間のみならず、企業もまた生き物であり、同じように生々流転をしています。企業もまた、誕生し、発展し、成熟し、衰退していくわけです。しかし、人間は死と言う最後を迎え... 続きをみる

  • 「定年難民」と「M&A難民」

    多くのシニアが定年後の生き方探し求めています。定年難民という言葉が一人歩きしているようです。定年後、目的もなく生き方を見失った人を指し、社会問題となりつつあるようです。サラリーマンに限らず経営者も難民となることがあります。自分の会社を退職した経営者が生きがいを失なってしまうのです。 中小企業の事業... 続きをみる

  • 語り部M&Aとしての活動

    M&Aは企業の売買ですが、中小企業のM&Aの多くは「後継者不在」や「将来の先行き不安」という理由で、第3者(社)に自社の経営を委ねる事業継続の一手法です。 廃業予備軍の中小企業は127万社と報じられ多くのマスコミが「大廃業時代の到来」などと恐ろしい言葉を使用し、高齢となった中小企業経営者の廃業に対... 続きをみる

  • 人生100年時代のM&A物語開設ご挨拶

    「人生100年時代のM&A物語」のタイトルで私自身の自社売却を振り返り、売却者目線で中小企業のM&Aを経験値でお届けします。 私のコラムはM&Aのスキルを教示するものではありません。後継者でありながら49才で父創業の会社を売却しました。明るい老後を迎えている69才迄の現在に至るまでを振り返ります。... 続きをみる