人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

夫婦間の適度な距離の保ち方 その2

その1からの続きです。


会社を高額で売れるほど立派に成長させてきた経営者は、良くも悪くも、どちらかと言えば頑固な性格が多いものです。「俺についてこい」と言わんばかりに、率先垂範で経営の舵を取ってきた猛者揃いかもしれません。しかし、ネクストステージにおいては、「俺についてこい」の率先垂範よりも、協調性と妻や家族への思いやりが重要になります。妻とのコミュニケーション、妻への思いやりはネクストステージを最適に暮らすための最優先事項です。


しかしながら、妻とコミュニケーションがとれない夫がたくさん存在するようです。仕事本位で売却前の考え方や生活が染みついている経営者は、結婚生活も長く、妻と向きあって話す話題がないのかもしれません。さらに、夫が経営者時代に妻とコミュニケーションを取ろうともせずに過ごしてきたにも関わらず、「私たち夫婦はお互いを知り尽くしているから問題ない」と勝手に決めてしまっているのかもしれません。


既に奥様が他界されているなど、一人でのネクストステージを確立しようと奔走している経営者であれば問題ありませんが、夫婦間のコミュニケーションに、問題意識を持たない経営者のネクストステージは、悲惨なものになるかもしれません。反対に、夫婦間のコミュニケーションが上手くいけばいく程、夫婦の関係は良好になり。ハッピーリタイアメントとしてネクストステージも楽しいものになります。


売却後の夫婦関係を良好にしていくポイントがあります。次の4つが夫婦の適度な距離を保つための秘訣と私は思っています。


1 何故会社を売却するのか奥様が納得するまで事前に話し合う。
2 売却後のネクストステージについて夫婦で事前プランニングする。
3 売却益及び財産を共有し秘密を持たない。
4 夫は妻の「メモリアルコンシェルジュ」となる。


前回まで、私の「妻」の偉大さを書き綴りましたが、彼女は売却前の会社の状況、そして、なぜ会社を売却するのか、さらには、M&A実践時の手伝いもしていましたので、売却益がどこでどのようになっているのかを全て把握しています。夫婦間の生活様式や財産に対し秘密がなく全てオープンです。前述、夫婦関係を良好にしていくためのポイント「秘訣1~2」について深く話合いの後M&Aに臨み、現在は前述「秘訣4」に示したように、売却後の私生活を楽しくすべく、様々な記念日を見つけ、夫婦間で適度な距離を保ちながら、私がメモリアルコンシェルジュとなっています。メモリアルコンシェルジュは私の造語ですが、別途投稿したいと思います。


その前にとてつもない境遇を迎えてしまったことを次回投稿したいと思います。


その3に続きます。