人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

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当ブログ「人生100年時代のM&A物語」は、私の会社売却経験を基に投稿しているものです。 2022年12月12日の初回投稿から、前回の投稿「経営権で支配する創業者の権力その3」で114回を迎えました。 当ブログは「後継者の私が父の創業した会社を売った理由」「私の事業承継いばら道」「M&Aの戦場から明るい老後への足跡」「M&A売却後のハッピーリタイア計画」「語り部からのメッセージ」の5つのカテゴリ…

経営権で支配する創業者の権力 その3

その2からの続きです。 古い話で恐縮ですが・・・ 私の手元に「進退伺い書」があります。日付は平成2年5月14日となっています。私が先代社長に対し差し出した書面で、小さな文字でA4サイズ8頁に渡り自筆でしたためた私の進退伺いです。自分の経営の考え方や実績、そして父や会社の問題点を指摘し、さらには要望をまとめたものでした。その当時の私の役職は常務取締役でした。一部分を次に転載します。 =======…

経営権で支配する創業者の権力 その2

その1からの続きです。 創業者の権力に関しては、自動車保険の保険金不正請求問題で巷を賑わしている中古車販売のビックモーターがあります。現在(本ブログ投稿日)、会社売却の報道が見受けられます。身売りを成立させるには、創業家保有株の取り扱いが最重要課題のようです。 ビックモーターの株式は創業者と長男の後継者で保有しおり、その動向が話題を呼んでいます。ビックモーターの不祥事が発覚してから、経営の一角を…

経営権で支配する創業者の権力 その1

一部の同族中小企業の創業者と後継者の間には、外部から理解されにくい大きな力関係があります。そこでは組織というものが機能せず、絶対的な力を保持している創業者の鶴の一声で物事が進んでいきます。 そんな馬鹿な…と言われるかもしれませんが、同族中小企業を顧客とする一部の税理士の皆さんにはうなずいて頂けるのではないでしょうか。 ここでは、「ビックモーター」と「ジャニーズ事務所」、そして「父が創業した中小企…

夫婦で向かい合う人生会議

残念ながら、自分がいつ死んでしまうのかは予測できません。人生100年時代といいながらも、万が一の不慮の事故に巻き込まれ、旅立ちが明日やってくるかも知れませんし、20年後かも知れません。 旅立ちという言葉から真っ先に思い浮かべるのは、高齢にンられた経営者ご夫婦のお墓かもしれません。私達夫婦は納骨堂巡りをしています。 私の父母(売却した会社の創業者夫婦)は20年前に他界しています。この時、私と妻、そ…

M&Aで夫婦の絆を保つ秘訣

同族中小企業の売却は社長の専管事項です。誤解しないでいただきたいのですが、M&Aを議決するための議決権について述べようとするものではありません。 M&A売却は株主総会で、株主の三分の二の同意(特別決議)が必要です。ここでは法務を問題にするのではなく、株主総会で売却を決議するまでには、そのスタートとして、社長自身で売却を決断する必要があるという意味で、社長の専管事項という言い方をしています。 社長…

会社売却行うは易し売却後の人生は難し

プロフィールにも明記してありますが、 私は父親から承継した中小企業をM&Aで売却後、売却益で第2創業し現在に至っています。 現在宮城県仙台市に移住していますが、2002年2月まで、人口約9万人の城下町山形県米沢市で、親子2代に渡り同族の中小企業を経営していました。父親が創業者であったため、私は世襲で社長を承継した、いわゆる二代目経営者でした。 その中小企業の経営者であった私は、様々な事情からM&…

ライオンの子育てに学ぶ事業承継

保険金不正請求で巷を賑わしているビックモーター。会社を駄目にした元凶は創業者の息子である副社長の経営力不足というマスコミの報道もあります。創業者であり父である創業社長が息子を過大評価し経営者としての素質を見誤り、会社経営を放任してしまったことも原因のひとつのようです。 「若いときの苦労は買ってでもせよ」という名言があります。「若いときの苦労はあとあと必ず役にたつという意味です。しかし、若いときに…

M&Aを決断するのは誰? 後編

前編からの続きです。 私はスムーズに第2創業の事業を選定しましたが、一般的に家業に従事している間は、自分の天職について無関心の為、家業以外に業態転換を必要とした時、自己の天職探しに戸惑う後継者が多いのも事実です。 現経営者、後継者、それぞれの妻からの反対や、親族からの反対もM&A売却を決断できない理由に挙げられます。身内の反対は抵抗勢力となり侮れない存在として立ちはだかります。さらに、地域間での…

M&Aを決断するのは誰?前編

同族中小企業におけるM&A売却の決断者は誰でしょうか。 現経営者が決断者であるのか、はたまた後継者が決断者であるのか、という問いかけですが、決断者が誰であろうと、株主総会で3分の2の議決権を確保できなければ、M&Aの議決はできません。 同族中小企業でのM&A売却決断は、現オーナー経営者が決断するケースが圧倒的ですが、後継者がM&A売却に反対すると、頓挫してしまうことがあります。一方、私のようにM…