人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

財産一覧と遺言書で争族を防ぐ

3年前、タレントの志村けんさんが新型コロナウイルスに感染し、あっという間にお亡くなりになりました。私の知る限りでは、志村さんは独身で,ご両親は他界され、奥さまやお子さんはいらっしゃらないようですので、家族を路頭に迷わすことはないようです。


予測のできない突然の不運や「まさか」は,予告なしにいつの時もわが身を襲ってきます。そのまさかに備え、妻や家族を路頭に迷わすことなく、かつ、迷惑をかけることがないように、常に身辺整理をしておくことが自分に対する責任のひとつです。


私は年に数回、妻と共に国内外を旅行します。


旅行に出かける前に必ず自分に課していることがあります。財産一覧と遺言状を残しておくという作業です。どの家庭においても、大なり小なりの財産があるものです。お金に換算できない財産もあるでしょう。


旅行と言っても、国内で別居している長男や次男と会う為に、新幹線で上京する時は別に遺言書を事前準備しません。米国に住む長女に会いに行くときや、国内旅行でも事故にあえば生存復帰事例の少ない飛行機を利用するときは、必ず最新の自筆遺言書を残します。


遺言書だけでなく財産一覧表を作り、さらに預金通帳、各種保険証書、マンションの権利書等を私の机の上に準備した後、旅行に出かけるのです。私達夫婦に万が一のことがあった場合、同居していない子供たちは、どのような財産が私達にあるのか分かりません。財産一覧を準備しておくことは親の務めでもあると私は思うからです。


もしかした、読者の中には、財産も多い代わりに、それを上回る借金(負の遺産)がある、という方もいらっしゃるかも知れません。負の遺産も財産一覧の中に記しておくべきです。相続一覧を明確にするためです。


経営者の皆さんはご自身の財産をどの程度把握しているでしょうか。現・預金、外貨預金、株式、投資信託、国債、さらには、不動産、ゴルフ会員権、貴重品、死亡保険などなど。その金額と、保管場所はどのようになっているでしょうか。


ご自身に万が一のことがあった場合、それらの財産はどのようになるでしょうか。これらはご夫婦で気づいてこられた財産でしょう。財産に関する情報を奥様と共有せずに万が一の事態が生じた場合、奥様が路頭に迷うことはないでしょうか。


預金がたくさんあると言っても、預金通帳はどこに保存しているでしょうか。預金通帳の存在がわからなければ、奥様やご遺族はその預金を引き出すことができません。預金に限らず前述した全ての財産も同じことが言えます。全ての財産を奥様と共有しておくべきです。秘密厳禁です。秘密にしていたばかりに、その存在が誰にも分らず葬り去られてしまう恐れがあるからです。


私は我が家の財産を大まかに把握していますが、日常の管理は妻の役目です。財産一覧が必要となる旅行時に、その内容を私がその都度把握し、最新の財産一覧として遺言書と共に残しているのです。


旅行時に限らず、財産一覧を整理してみると、自らの現・預金の流れや残高を把握でき、その使途を振り返ることができます。


ご自身の現・預金の中でM&Aの売却益はひと際目立っている・・・・・
そんなことを言えるM&A売却をめざしたいものですね。