人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

後継者不在経営者に寄せる思い


私が会社を売却して20年が経過しています。20年も前に売却した過去の経験をなぜ今頃になって投稿しているのか多くの方々が不思議に思っているかもしれません。20年も前の私の売却経験に対し、若い経営者は興味を持たないかもしれませんね。


当時、中小企業M&Aに理解を示す人は一部でした。しかし、現代では中小企業のM&Aは後継者不在の事業承継手法として認知度を得ています。20年前には考えられなかったインターネットでの企業売買も、現代では完全に定着しています。このことを温故知新に例え、4冊目の拙著を世に出しました。


売却時に上梓したのが拙著「私が会社を売った理由」。この内容に現在までを生き残っている姿を加筆したのが「M&Aで明るい老後を迎えた経営者人生」です。


さらに、私の売却経験から現代までを、後継者不在の中小企業経営者に届けたいと思い、投稿しているのが、「人生100年時代のM&A物語」です。


私の経験談が後継者不在の中小企業者の目に留まり、中小企業経営者のM&A決断の背中を押してあげることを目的としています。私は20年前に、上場前の日本M&Aセンター(現在一部上場企業)の分林社長(現在の会長)に売却決断の背中を押していただきました。
https://www.nihon-ma.co.jp/page/interview/linensupply-y/


49才の若僧だった私が、分林会長に背中を押していただいた経験を振り返り、70才になりしみじみ思うことは自他利他の考えかたです。現在は「人生100年時代のM&A物語」で温故知新の考え方手を基に投稿しているだけですが、この存在が一人でも多くの後継者不在経営者に届けば、前述した売却決断の背中を押してあげることに結びつくかもしれません。


今、コロナウイルの影響で多くの中小企業が疲弊しています。売り上げが70パーセント、80パーセント減と多くの中小企業が信じられないくらいの売上減で苦戦しています。


私の売却決断は、想定外の事態が発生し、売り上げが80パーセント減になることが予測され、自社が疲弊する前に売却決断に至りました。その時、わが社に自ら来て下さったのが、前述、日本M&Aセンターの現会長,分林さんでした。その結果、早いスピードで売却決断となり成約に結びつきました。


コロナウイルの影響を受ける以前の優良企業でも、現在は急激に売り上げが落ちて債務超過企業になりそうな中小企業も存在するのではないでしょうか。このような現況下売却決断は、特にスピードが求められます。


しかしながら、黒字経営の優良企業もコロナウイルスの影響であっという間に債務超過企業に陥ってしまう可能性が高くなっています。このままでは、後継者不在企業が淘汰されてしまい、多くの雇用が無くなり、コロナ影響と共に地域経済に大きな痛手となってしまいます。


前述したように私は日本M&Aセンターの分林会長に背中を押していただきました。このコラムをご覧頂き、私を必要とする経営者がいらっしゃいましたら、今度は、私がM&A売却決断に迷う皆さんの背中を押して差し上げます。