サーチファンドの仕組みと連合体でのフアンド設立

要旨及び目次
1はじめに
2スタートアップ5ケ年計画と地方創生
(1)地方創生を加速させるスタートアップ支援
2スタートアップ5ケ年計画と地方創生
(2)地方創成に求められる金融機関の役割
3サーチファンドとスタートアップの融合
(1)サーチファンドの仕組みと連合体でのフアンド設立
サーチファンドは、1984年に米国のスタンフォード大学ビジネススクールで誕生した。ビジネススクールでMBA取得後、起業する選択肢以外に、企業を買って経営するという起業家の新しい選択肢として設立されている。
日本国内におけるサーチファンドの普及は、まだ初期段階にあるが、MBAプログラムなどで学んだ人たちがアメリカからこのモデルを日本に持ち込み始めており注目が高まっている。特に中小企業の事業承継問題に対する解決策として関心が広がりつつある。
サーチファンドではサーチャーと呼ばれる経営者を目指す個人が主体となって、自ら経営したい中小企業を発掘した後、ファンドや投資家の支援を得ながらM&Aを通じて対象企業の経営権を取得(買収)し、自らが経営者となって企業価値の向上を目指すものである。
買収後サーチャーがその企業の経営を引き継ぎ自ら経営者となり、企業価値の向上を目指すものである。「社長になりたい若者(サーチャー)」を「次世代経営者を育てたい投資家」が応援する仕組みである。
通常、数年かけて企業の成長や収益性の向上を目指し、一定の期間経過後、企業が十分に成長した段階で、他の企業やファンドに売却するか、上場することで投資家にリターンを提供するものである。
サーチファンドは誰でも出資者として設立できるが、ここでは地方金融機関の連合体でのサーチファンドの設立を提案してみたい。
地方金融機関一行が主導権を持ち、サーチファンドを設立する際の「ゼネラル・パートナー」(GP)として機能する。
GPはファンドの運営責任を持ち、サーチャーをサポートしながら、買収対象企業の検索や経営に関与する。一方、他の金融機関はLP(リミテッドパートナシップ)としてファンドに出資し運営に直接関与せずに資金提供に徹する連合体のモデルである。
GPが他の金融機関をLPとして巻き込むことで、リスクを分散させ、ファンドの安定性を高めることができる。これにより、複数の金融機関がリスクを分散しつつ、リターンを享受できる体制が整うことになる。複数の金融機関が連合することで、より大きな資金を確保でき、企業の買収や支援をスムーズに行えるようになる。
金融機関の連合体での成功は、地域企業の成長に寄与し、その結果として地方経済の活性化にも貢献できることになる。地域内外の金融機関が連携し、地域経済をサポートする体制を作り上げることで、各金融機関にとっても持続的な収益機会が生まれる。
地方金融機関が核となりサーチファンドを設立するモデルは、地方の経済活性化に向けたモデルになるであろう。