人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

あなたの会社の後継者はだれですか?

中小企業の事業承継は「親族」「社員」「M&A」の3つです。5年先、10年先あなたは誰に会社を託すのでしょうか。


1親族への承継


身内の子供に承継させるのが一般的ですが、後継者不在の中小企業が増えています。後継不在とは身内に子供がいないというだけではなく、子息はいるが、既に社会人として別の道を歩み、跡を継がずに生計が成り立っているため承継しないというケースです。現経営者が自分の辿って来た苦労を振り返り,自信をもって我が子に自社を承継させることができない、
というケースもあります。反対に、我が子の経営能力を疑問視しているケースもあります。


2社員への承継


仕事ができることと、経営できることは別問題です。社員が承継するには経営権を取得することが必要です。経営権を取得するための自社株式をどのようにして手に入れるのでしょうか。自社株が高騰して、株式を取得するのに、数千万円、数億円が必要というケースもでてくるかもしれません。自社株式取得のための金策は大丈夫でしょうか。社員自らが金融機関から融資を受けることは不可能に近いはずです。担保が必要となり、連帯保証も必要となるからです。


3M&Aで自社売却


第3者(社)に自社を譲渡する方法です。全国で127万社の中小企業が後継者不在で廃業危機にあります。後継者不在で、且つ、社員への継承は不可能ということになれば、中小企業の出口は「廃業」か「上場」を選択することになります。しかし、上場も一筋縄ではいきません。廃業を選んでも、その時になって、自社が債務超過になっていることに気づき、廃業することさえできないという状況に陥るかもしれません。このような状況を打破するのに最適な方法としてM&Aがあります。


私は、自社の将来に明るい日差しを感じることができず、会社を売って売却益で第2創業という道を選択し17年経過しています。3人の子供達も自分たちの道を歩んでいます。