人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

銀行融資に依存しない売却益での第2創業

私が経営していた会社は売却を決断した時点で、資産から負債を差し引いても一億円の現金が残る状況でした。通常であれば、この資金を基にさらなる投資か、新事業を始めるのではないでしょうか。


負債無し、無借金の経営状況!


外観から眺めれば優良企業です。優良企業で一億円の銀行預金という状況でしたので、どこの金融機関からも融資を受けられる状況でした。金融機関かの営業攻勢も度度で、ちょっと鼻が高かったことも記憶にあります。連帯保証も必要とせず、様々な好条件を提示されていたことも事実でした。しかし、融資のお誘いをお断りし、M&A売却という道を選んだわけです。


私が売却した会社は第3者が外観を眺めれば順風満帆な経営と映ったはずです。メインバンクの支店長さんも、渡井からも売却を打診した際、信用してくれず、放置されていたくらいでしたから。


新事業を始めようとする場合、大半の経営者は、金融機関からの融資に依存し、事業を起こすことが多いようです。しかしながら、私のように、既存企業を売却し、売却益で新会社を設立するという考え方もあるのではないでしょうか。


私が売却したのは、創業から37年を経過した会社でした。


創業37年!


営業成績がよく一億円貯まっても、時代の進化と共に様々な膿や埃も貯まっていました。その貯まった垢や埃を整備せずに、新事業に投資しても、一億円の預金や、それ以上の融資を得ても、明るい結果がないであろうとの思いで売却し、売却益で第2創業の道を選んだのでした。


その会社も本年創業21周年を迎えました。