人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

創業者と後継者の売却額の思い その3

その2から続きます。


M&A売却で得た一億円の事業資金は、考え方を変えれば、返済の必要のない助成金を獲得したようなものです。さらには、助成金のように使途についての報告も不必要です。売却益の資金を基に新創業に至り、事業を軌道に乗せ、新しく創業した会社の「役員報酬」で余生の生活設計を担う、というのが私のM&A売却の基本計画でした。


おかげ様で身内の事業承継からM&Aで第三者へ事業承継、そして自らは新事業で第二創業というビジネスモデルが成立、現在まで二十年間、第二創業で有意義な人生を歩み明るい老後を迎えています。


売却せずに、私が後継者としてそのまま経過していれば三代目後継者であったかもしれない私の長男は、米国ロサンゼルスで起業家となり、横浜に所帯を持ち日本と米国を行き来しています。


当時中学生であった長女は、米国に留学し、サンフランシスコ州立大学を卒業後、米国人と結婚しシアトルで暮らしています。


当時小学生だった二男は東京でサラリーマン生活です。


家内は、日本航空客室常務員であった経験を活かし、東北一円の高校や大学、さらには全国の一般企業や自治体からお声がけいただき、二級キャリア技能士の国家資格を取得し進路指導やマナー指導の講師として飛び回っています。


まさに、私が決断したM&Aは私達一族と会社の将来、そして従業員をハッピーにした戦略でした。