人生100年時代のM&A物語

49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、売却益で第2創業。売却決断実践から20年の経営者人生を綴ります。

ぬるま湯に浸ってしまったわが社の衰退期を悟る その2

その1からの続きです。


私が入社した当時、会社は創業からすでに二十年を経過しており、生々流転の早いスピードに照らし合わせれば、すでに衰退期を迎えている時期です。いや、今の時代なら、すでに存在しない企業になっていたかもしれません。しかしながら、当時私の会社は、衰退期どころか発展期を迎えている会社でした。


というのも、規則に守られた許認可事業ということに加えて、社会保険点数も年々加算されていく状況にあり、創業時は寝具だけに適用された保険点数が、さらには病衣(入院時に着るバジャマ)にまで保険点数が加算されるようになり、完全に国の制度に守られながら事業が発展していたからです。


この発展期を、私はリネンサプライ業界におけるバブル期」と位置づけていました。地価、株価が急落したようにバブルは長く続きません。社会保険適用の基準寝具点数、病衣点数も時代の変化により見直しが行われ、基準寝具点数、病衣点数というものは単独で存在せず他の点数と共に統合されてしまいました。


業界や企業が発展期ということは、企業の生々流転のサイクルに照らし合わせれば、必ず成熟期と衰退期がやってくるという事を踏まえておく必要があります。にもかかわらず、発展期においては多くの同業者が度重なる設備投資を行っていたのです。もしかすると、その投資が現代において重荷となっている企業があるかもしれません。



次のブログ投稿は新年Ⅰ月4日です。